紙飛行機にのせて…
「小浮気さん、どれくらい経ったんでしょうか。」

「そうねぇ…」


愛は、腕時計を見た。

「まだ、30分よ。あ、私が来てからね。
慎也ちゃんが、此処に来たとしたら…

4,50分ちょいは…過ぎてるんじゃないかしら?」

「ありがとうございます。」


1時間くらいして、

「成功したぞ。」
手術中の灯りが消え、父が出てきた。


「ほんと⁉︎」
表情が晴れた。


「あぁ。けど、会いに行くなよ。」

「感染症を防ぐためでしょ?分かってるよ。」


慎也は知らなかった。
父親が…嘘をついていることに——

そんなことはつい知らず、慎也は笑った。


***

次の日、母親の為に折り鶴を折っていた。


「あら、鶴を折ってるの?器用ね〜」

慎也は、手先が器用で、男子からは少しだけ疎まれていた。

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