紙飛行機にのせて…
「これ…作ったの?」

袋の中に入っていた、千羽鶴の先っぽが出ていた。

それを、紗子は取りだして言った。

「あ、はい…」

「そう…でも…無理なのは…分かるわよね?」

こくり、頷いた。
「紗子!何してんだ!」

「あ、隅っこにあるベンチに座って待っててくれる?」


拾った袋を、慎也に渡して、母のいる病室に紗子は入っていった。



「はい…」
座って待ってることにした。


祈りながら…

(母さん…)
と…


「緊急手術を行う!急いでオペ室へ運んでくれ!」
そう、父の声が聞こえた。


運搬用のベットに、母親が乗って出てきた。


「母さん!」

「道をあけてください!」

その人達に、慎也はついていった。


「母さん!母さん!」
子供みたいに、叫んだ。


「慎也!母さんは必ず助けるからな!」

「信じるから!父さん…」


手術室に、2,3人のナースが手術室に母を入れた。


「慎也。」
青い衣服を纏って、父が来た。


「父さん…信じてるから。」

「あぁ、もちろんだ。」

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