紙飛行機にのせて…
「「あ。(ん?)」」
父親とばったり遭遇してしまった。

「慎也、琴美ちゃんの病室にいたな。知り合いだったのか?」

「は?そんなんじゃないから。たまたまだし。父さん。」

「あの子はな、お前と1つ違うだけだからな。」

「…そう。」

「あ、それと…俺、あの子の主治医だからな。」
はい?

「花戸琴美の主治医?父さんが?」

「お前な。フルネームで言うか?」
「別に良いでしょ。どう呼ぼうが。」

「…慎也。あ、じゃあな。」
慎也から父は去った。


ギリリと、歯を食いしばった。
(嫌いだ…)


振り返りもせずに、静かに病院を出ていった…


***

慎也は、自分の部屋に籠った。

父から医大のパンフレットを机に置いた。それと、その入試問題。

担任は、慎也の両親の事を知っている。

生徒の中で最も有名。
影ながら慎也を称賛されているらしい…

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