紙飛行機にのせて…
「琴美ちゃん。暴れて…傷つけられちゃった。ま、深くはなかったわよ?」
ほら、と、傷口を見せてきた。
「紗子さん…」
「あらやだわ!あたしったら!」
慎也は呆れた。
(何も、傷口を見せなくても…年下の僕でも…男に見せるのは…さ…)
と…
「琴美ちゃん、目を覚まさないかな…」
ボソリと、誰かが言った。
けど、その誰かは、慎也には分かった。
「父さん!」
バキャ!
殴った。父親を…
「慎也君!」
「そんなこと…分からないじゃんか!」
そう、父に罵倒し、病室を出て行った…
***
「琴美…」
父を罵倒した後、屋上にいた。
カサ。
くしゃくしゃになった何も書いていない紙を、ズボンのポケットから取り出した。
それを広げて、綺麗に伸ばす。
ほら、と、傷口を見せてきた。
「紗子さん…」
「あらやだわ!あたしったら!」
慎也は呆れた。
(何も、傷口を見せなくても…年下の僕でも…男に見せるのは…さ…)
と…
「琴美ちゃん、目を覚まさないかな…」
ボソリと、誰かが言った。
けど、その誰かは、慎也には分かった。
「父さん!」
バキャ!
殴った。父親を…
「慎也君!」
「そんなこと…分からないじゃんか!」
そう、父に罵倒し、病室を出て行った…
***
「琴美…」
父を罵倒した後、屋上にいた。
カサ。
くしゃくしゃになった何も書いていない紙を、ズボンのポケットから取り出した。
それを広げて、綺麗に伸ばす。