紙飛行機にのせて…
そして、その紙で紙飛行機を折った。

「琴美…」
それを飛ばす。無心で…


ヒュオォ…

風に邪魔されて、その紙飛行機は下に落ちた。


「琴美…え?」

無心で紙飛行機を飛ばしたが、琴美しか出てきてない。言葉が…


「何してんの?」
ふと、後ろからそんな声が。


「琴美⁉︎」
なんとはなし、そう思った。


が、違った。
「なんだ…間中かよ。」

「な、失礼だな!」


(そうだよね…だって、琴美は…眠っているんだから。)
ため息をついた。


「琴美、って…花戸琴美のこと?」

「な、何で知ってる。」

「有名人だからな。琴美とかゆーやつ、世界的歌手の娘だし。ま、噂だけど。」

(あー、琴美が話してくれたな。母親が歌手だって…)
と、慎也は思った。


「あっそ。」

「お前、やっぱり…変わったな。1年の時より。」
屋上を出ようとすると、間中が言った。


「そ。」
その一語のみ言って、屋上を出ていった…



——————…

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