紙飛行機にのせて…
「五十嵐。プライバシーをな…」


「あのさ、お前の恋、応援するからな!」
背中をバシッと、詠一に叩かれた。


「はぁ?ごちそうさまでした。いくら?」

「450円だよ。って、払わなくても…」
500円玉を置いた。


「おつりはいらない。それじゃ…」
慎也は、カフェを出て行った…


***

僕しかいない?

父からのメールを見ながら、歩いていた。


(そりゃ、琴美のことは気がかり…けど、それはそれ。僕は、父さんが…父さんなんか…信じてない。)
慎也は、そう思ってる。



けど、最近は…

(少しは、信じても…良いかな。)
そう思うように。


詠一には関係ないと言ったが、それは、親子の問題だからだ。


電話の着信拒否をしなくなった。

それでも…父親の信頼は…まだ、不完全だ。


——————…

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