紙飛行機にのせて…
出逢い
「はぁ…」
溜息を1つつき、歩いた。

片手には…進路希望調査の紙。

高校3年生の都月慎也-Shinya.Tozuki-

(行きたくないけど…)

彼は足取り重く、ある場所へ。

それは、自分の父親がいる病院。そして、屋上へ…

進路希望調査の紙を器用に折り、紙飛行機に。

それを、真っ直ぐにスーゥと、飛ばした。

「夢、か…どうでも良い…」
小さく、呟いた。

「もったいなーいにゃ〜♪」
後ろから声がした。振り返ると、

車椅子の女の子がいた。
茶色でストレートショートの髪型。

「もったいなーいにゃ〜♪」

呆然とした。彼女の言ってる意味が分からない。

「もったいなーいにゃ〜♪」

(いい加減、うざい…)

「お兄さん!」

「何?僕、帰るんだけど?」
立ち去ろうとする、彼。

「お兄さん。手伝って〜!」
まぁ、そうなりますよね?彼女は、車椅子ですし…

どうやって、彼女は此処まで来たのか気になる所。
そう…彼女は今、1人。

ナースか親がいなければ、車椅子の彼女にとっては、此処に来るのは…難しいだろう。

なのに、彼女1人だけ…

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