紙飛行機にのせて…
「此処にいたのか。慎也。」

“先ほど、廊下で待ってることにした”と、言ったが、


なんとはなし、屋上にあしを向けていた。


「父さん…」

「紙飛行機、飛ばしたのか?」


「別に良いだろ。どーだって…琴美は?」


「無事だ。ただ単に興奮しすぎただけだ。今は眠ってもらったよ…念のために。」

「そう…」


秋風が冷たく思い、
屋上を去ろうと、階段のある方へと足を向ける。


「後で話したいことがある。時間、あるか?」

階段を降りようとすると、そんな声がかかった。



「…話すことはないけど?と、言いたいけど…琴美のこと?」

「あぁ。」


政人が、生真面目な顔をしたから、
「分かった。で、何処に?」
了承した。

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