紙飛行機にのせて…
割れて散らばった花瓶を、政人は指した。

「…」

「あ、これ、説明する時とかに良かったら使って♪ごめんね…失声症は…どうしよもないんだ。僕でも…」


そう言って、琴美に安物のホワイトボードとそれに書く時のペンを渡した。

それと、小さいクリーナー。



『ありがとうだにゃ☆』
と、早速書いて使った。


「あ、そだ!薬飲んだ?」
コクリ頷く。

実を言うと、ひとつ吐いたが…


「そ、田辺、よろしく。」

「はい。さ、外出よっか♪あ、いちおー、それ、持っててね。中庭で良い?」

車椅子に乗せられて、
『しゅぱーつ☆』

中庭へと向かった…


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