紙飛行機にのせて…
病院にて
病院に着くと、全体的に慌ただしかった。

受付の人に、慎也が聞くと、

「あら、次期医院長さん。忙しないのは…集団食中毒。かなりいるらしくて…」
との理由。

“次期医院長”慎也にとって、それは嫌いな言葉だ。

(集団食中毒?ドラマじゃあるまいし…)


「この近くであったらしくて、此処の病院に…ただでさえ今日は、医院長がいないのに。」


「そうですか。まだ、帰ってきてないんですか?」

(てっきり、もういると思たんだけど…)

「えぇ。講義が長引いてるとか…」
講義?…人気があるのか?

「そうですか。では、これを…」

小浮気から受け取ったものを慎也は、受付の人に渡した。


「父に渡して置いてくれませんか?母方の妹から受け取ったものなんですけど…」


「分かりました。」
「ありがとうございます。」

慎也は、屋上へ向かった。


***

〜♪

屋上に着いたと同時に、透き通るような歌声が聞こえてきた。


「あれ?君…」
花戸琴美だった。


車椅子に乗ったまま…歌ってた。

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