紙飛行機にのせて…
「あら?慎也君?」
紗子さんも一緒にいた。


「ふーん、君が慎也君だったんだ〜♪」

「紗子さん。良いんですか?」
「あー、平気よ。私は。」

「紗子姉は〜♪私のお世話なんだにゃ〜♪」


「こら!さん付けね!それかナースさん!」

「えへへ〜。はーいだにゃ。紗子さん。」



「琴美ちゃん。歌好き?」

「もちのろん〜だにゃ〜♪言ったでしょ?歌手とかになるって〜♪」

(将来の夢?)
慎也は、そう思った。


「ねぇ、慎也君は?」
琴美が聞いた。


「勿論、此処を継ぐのよね?」

期待するような眼差しで、紗子さんは言った。


「…」
慎也は黙ったまま。


「おーい!」
車椅子に乗ったまま、慎也の顔の前で片手を横にして、その状態で振った。


「くだらない。」

「「え?」」
「何もかも…くだらない。進路も…」

僕は…絶対に継がない。


「それじゃ。父親に会いたくないんで。」

そう吐き捨てて、屋上から去っていった…


——————…

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