紙飛行機にのせて…
「琴美!」

「来たか…今は眠ってるが、やばかったんだからな。」

息を整え、琴美のそばによる。



「容体が…悪化したって…」

「あぁ。したぞ。ま、良いことがあったが…良い方と悪い方。どっちを聞きたい?」


何それ。矛盾してるじゃんか…

「あ、容体が悪化したのは確かだぞ。なぁ?」

「はい…」
沈んだ顔をして、紗子さんは言った。



「あ、良いことは、喋れるようになった事だな。悪いことは…無理に喋って、多量の血を吐いた…」

声のトーンをおとして、父は言った。


「かなり、大量に…な。多分、胃液も吐いただろうな…」

「そんな…」


「その後、気を失って…」
今の状態にいたる?


さぁーっと、血の気が引く。

「慎也…俺は言ったよな?なす術がない…と。」

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