紙飛行機にのせて…
「琴美…」

(慎也君、それとも…えーいっちゃんが、私を呼んでる…?)


うっすら目を開ける。

悲しそうな顔をして、見ている。
今にも泣きそうなくらい…


「僕は、君が死んだら…父さんを恨む。だから…」

恨んじゃダメ…


「し…ん、や…君…」

「琴美⁉︎」
体が動かないや…


「琴美!」
慎也君…

「慎也君…恨んじゃダメ、にゃ…」

「あぁ。」



———

「…お別れだにゃ。」
震える手で、酸素マスクを外した。


「お別れ?」

「…最後に、慎也君の顔が見れてよかったにゃ…」


「最後なんて言うな!」

「…ごめんね。でも…最高のお別れだにゃ♪」


悪魔の音が聞こえる。
けど、そんなのは気にしない。


「琴美!」

「誰も呼ばないで!」
呼ぼうとしたのを止めた。


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