紙飛行機にのせて…
琴美からの手紙
「…琴美。行けなくてごめん。」
慎也は、琴美のお墓の前で謝った。


葬儀に出られなかったのだ。
理由は、大学の一般入試試験。

それと被ったのだ。



葬儀は、
琴美が亡くなって一週間後の、金曜日に行われた。初七日と一緒に…



“被ったから行けなかった。”

それもあるが、元々、その時は行く気がなかった。



父親もいるだろうから…だ。

「あの日、責められたんだよね…父さんに。」


***

〜回想〜

「慎也!何故、呼ばなかった!」
叩かれる。


「……琴美が望んだからだよ!」
叩かれた頬を抑えて、そう言った。

「だが、それでも…」

終了


———


「ほんと、勘弁…琴美。ごめんな…」


帰る前に、軽く掃除をした。

「ん?」
墓標に彫られている、名前が気になった。

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