紙飛行機にのせて…
言いにくそうにしていたが、

「その…虐待してたんだ。」
と、口を濁しながらも言った。


「ぎゃく…たい?」

「あぁ。こっちも詳しいことはわーらん。」

「そう…」
虐待…琴美が?



「あ、お前さ、俺と会うのが気まずくて、琴美ちゃんの葬式来なかっただろ?」


バレてる…”と、慎也は思った。


「悪い?それもそうだけど、入試試験と被ったんだから、そっち優先。言ってなかったっけ?」


「あー、そうか…結果はいつ出るんだ?
お前さ、そのツンケンした言い方、
どーにもならないのか?

母さんとお前の後輩の弟の事は許さなくても良いが…」



「気づいてたの?」
フツーらしい言い方で言った。



「あぁ。っと、言っても…お前が、高2の時に気づいた。けど、俺も正直、

どうすればいいか分からなくてな…お前との距離を——な…」


今、この瞬間、分かった。

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