紙飛行機にのせて…
“父さんは父親なりに、考えていたんだ——”と…


「…ばっか、みたい。」
ぽソリ、慎也は言った。

「馬鹿だよな。自分からも距離を置くとか…」
聞こえたのか、そう言った。


でも、それは…
「「お互い様(じゃんか…)。」」
そう、お互い様。


「「…」」
少し見つめあい、互いに笑った。


***

「あ、そうそう。ちょっと待て。」
出ようとしたら、声をかけられた。



父は、引き出しから何かを取り出した。それを、

「何?これ。」

「手紙!琴美ちゃんから、お前に。」
慎也に渡した。



「…僕に?」

「あぁ。棚に隠してあった。」


昨日、片付けてたら見つかった”と、父は言った。



「中身は読んでないぞ。お前宛だからな。」
読もうとしてたのか…

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