紙飛行機にのせて…
「だから…ごめん。あ、これ…置いてくね。」

置いたのは…紙飛行機。


「バイバイ。琴美。忙しくて…来れないから…」
研修医たるもの、忙しいのだ。


たまたま、休みがとれたのだ。

いや、“とらせてくれた”と、言ったくれた方が正しいだろう。


父が…とらせてくれたのだ。
今日だけ、特別に…



-慎也君…

「…?気のせい、かな?」

帰り際、
琴美の…彼女の声が、聞こえた気がした。


今一度、琴美のお墓を見て、

「ごめん。それと、ありがとう…」
そう言って、お墓から去って行った…


去り際、また、琴美の声が聞こえた気がした——

笑いとともに…

< 277 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop