紙飛行機にのせて…
「ただいま。」

「お帰りなさい!し〜んーや・ちゃーん♪」

帰ってくるはずのない返事に、数秒だけ驚いた 。

「小浮気さん…」

「ふふ。驚いたわね?」
靴をぬぎ、キチンと揃える。


「少しですけどね。」

「ふふ。政人ちゃんが〜♪帰ってくるってさ!今日は!」

「そうですか。」
「あらぁ?嬉しくないの?」

「いえ…あ!」
仏壇に向かう。

「母さん、ただいま。」
手を合わせた。

「ふふ♪さーて!今日はパーティよ!」

「大げさな…勉強してきます。」
2階へ慎也はいった。


***

カリカリ…
シャーペンを走らせる音しかしない。

コロコロ…
「こんなもんかな…」

「ただいま〜。」
下から、話したくもない声がかかった。

ゆっくり、階段を降りた。

< 61 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop