紙飛行機にのせて…
ガッと、慎也の手を琴美は包み込むように掴み、


「紙飛行機!屋上から、此処に飛ばして!」
そう言った。


「は?なんの意味が…」



掴んだ手を離して、

「お願いにゃ!もう…じ…」
最後、何かを言いかけた。


考え込んで、

「分かった。」
了承した。


「良いにゃ?あ、一個でいいから!」

「それじゃ、僕は行くから…あ、期待しないでよね。此処にくるかは…わかんないから…」

「それでも良いんだにゃ☆バイにゃー☆」


琴美はブンブン手を振り、病室から出て行く慎也を、ベットから見送った…


慎也は、気づいてないだろう——

彼女、琴美がいなくなってしまうことを…


彼女に、試練が訪れようとしていることも…


——————…

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