shine
失ったもの
炎天下の下、人工芝の上を、ボールが行き交っていた。
「瞬、パス!」
今回の試合で6回目のパスが、俺にまわってきた。
ボールを受け取った俺は、ゴールに向かって全力のキックをかます。
ボールは今年最高のスピードでストレートに飛び、キーパーがつかまえる暇もなくゴールネットをゆらした。
一瞬の静寂の後、
客席から歓声が巻き起こる。
チームのみんなも、滴る汗を拭いもせずにハイタッチをしたり、抱き合ったりしている。
結果は、6対0で俺達の勝ち。
全国大会に出場したのだ。