クローバーの約束。




ワー!キャー!と言い合いをしながらも
結局二人で寄り添う形で落ち着いた











「みつば柔らかい」





「変態!!!」











急に私を抱きしめながらそんなことを言うから
パンっと叩いてやる




そんなこと言わなければ普通の人なのに…












「叩くなってば〜!
俺は褒めたつもりだぞー、女の子らしい的な」





「全然変態にしか聞こえませんでしたー!」





「照れるなって〜」





「照れてるように見えるの!?」





「うん!」












…………バカだ



呆れて何も言えない




でもなんか落ち着くなぁ湊くんに抱きしめられると











「そういえば湊くんって兄弟いるの?」





「俺?」












ふと気になって聞いてみた



家族のこととか全く聞いたことないからな
少しでも知りたい…なんてね











「俺は"居た"よ」





「居た??」











なんで過去系なんだろう?


私の言いたいことが分かったのか
湊くんはヘラっと笑いながら付け足す











「俺の下に出来たんだけど
生まれてすぐ亡くなったんだよ」






「え……」











生まれてすぐ…



湊くんは深刻な話をする時こそ
ヘラヘラと笑うんだよね











「って言っても、俺が1歳だったから全然覚えてねーけど、親から聞かされた」





「そうなんだ…」











まぁ1歳だったら覚えてなくても無理はないよね











「だから命の重みはなんとなくわかる」





「……」











これは私に言ったのだろうか?

それとも自分自身に言ったのか




時々湊くんはどこか遠くを見つめてるような
そんな気がするんだ





< 137 / 225 >

この作品をシェア

pagetop