クローバーの約束。




「どうしてここに…ゴホゴホッ」











あの、父親がここに…


置き去りにして…男嫌いにした父親がここに…





どうしよう…どんな顔したらいいの…






私が少しパニックになっていると
冬織くんが私の横に座った











「大丈夫か?」











せっかく治ってきていたトラウマが戻って来そうになるのを必死にこらえる




耐えろ耐えろ自分











「冬織くん…なんでこの人が…」





「それはこいつに聞いてくれ」











そして2人で父親を見る



何年ぶりだろう…

やっぱり老けたな


なんて考えながら…











「今朝手嶋と名乗る男の子から電話があって
会うことになったんだ
そして会ったらみつばの病気のことを聞いて…」











湊くん…?


なんでそこまでするの…











「なんで湊くんがお父さんの電話番号を…」





「俺が教えた
てっきり番号変わってると思ってたが…変わってなかったみたいだ」











隣で冬織くんがそう言った




なんなの…
なんでこんな時にその人が出てくるのよ…












「お前は会わないのかよって怒られてしまった
いい彼氏を持ったな」











どうしてだろう
涙がボロボロこぼれてきて止まってくれない







お父さんにあったら何を伝えたかった?


責めたいわけじゃない


ただ…謝って欲しいんだ…






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