クローバーの約束。
「忘れないうちに…」
湊くんが寝たのを確認して
スケッチブックを取り出す
前髪をあげた湊くんを描こうと決めたんだ
スラスラーっと頭の中で出来ている線を
描く
細かく、再現できるように
丁寧に丁寧に…
「んー…違うなぁ…」
湊くんを描いて何になるわけでもないけど
あんなに綺麗な顔を描かないわけにはいかなかった
それに私に残された時間には限りがある
なら、少しでも何か残したい
それが例え湊くんを悲しませるものでも…
ごめんね、少しでいいから記憶に残りたいの
そんな思いをいっぱい詰め込みながら描いていく
絵を書くのは楽しくて時間なんてどんどん過ぎていき、
夜が明けるまで描いていた