クローバーの約束。
「みなと…くん」
ジッとお互い見つめ合う
いつもみたいに微笑んでくれる湊くんが好き
安心して…とても幸せになる
「きねん…びだね」
「うん、クローバー見つけに行かなくちゃな」
「いかなく…ちゃね」
行きたいよ
一緒に探しに行きたい
「みなと…くんとであえ…てよかっ…た
ゴホッゴホゴホッ…ほんとうに…だいすき」
大好きで大好きで…
何を伝えていいのかわからない
こうなると思ったから
手紙書いておいてよかった…
「ゴホゴホッゴホッ…はぁ…はぁ…ゲホッ」
苦しい
湊くんにはね見てほしくない
だからごめんね…
「クローバー…さがして…きて…」
「でもっ!!」
「いっ…たよね?
きれい…なクローバーさがす…って
行って!振り返らずにっ!」
見たいの
クローバーが見たい
そんなの口実
私の最期は見せたくないの湊くん…
湊くんはしばらく血が滲むくらい
固く固く拳を握って
固く目をつぶっていたが…
やがて決心したように目を開いた
「わかった
必ず帰ってくるから待ってて」
「ゲホゲホッ…ありがとう…
だいすきだよ…」
私がそう言うと
湊くんは私のオデコにキスしてくれた
大好きな湊くんのキス
絶対に忘れないよ
「俺も大好きだよ
愛してるよみつば」
そう言って、走って、振り返らずに出て行った
ちゃんと微笑んでくれていたよ
でもその目に涙があったことを私は知ってる
ごめんね残酷なお願いして…