クローバーの約束。




「はい、りんご飴」











一足先に着いていた手嶋くんがりんご飴を買ってくれる





りんご飴…
これは思い出だ



思い出したくない思い出







大丈夫大丈夫

今隣にいるのは手嶋くんなんだから大丈夫











「もうすぐ花火だぞー
って、気分でも悪くなったー?」











りんご飴に口を付けないまま
思いを吹っ切ろうとしていると

手嶋くんは顔をのぞき込んでくる











「人混み酔い?
ちょっと離れたとこから見よーかね」











人混み酔いだと勘違いして先を歩いていく手嶋くん









なんだかいつも先を歩いていくなぁ…






それにしても深く追求してこない



そういうとこが好きなのかもしれないな…


居心地が良い











「手嶋くん」





「んー?」





「りんご飴ありがとう」





「おー」











お礼を言ってカリッといい音を立てて食べてみる







美味しい




甘くて美味しいなぁ…





< 54 / 225 >

この作品をシェア

pagetop