クローバーの約束。




屋上に続く階段は人が少ないから2人でそこに腰をかける











「なんであんな大声であんなこと言うの?」











あんなの恥ずかしすぎてたまったものじゃない




私が少し怒ってそう言うと、湊くんは案外シュンとしおらしくなる











「そんな怒るなー
冬織からそれ言われて、みつばに言って来いよって言われたから言った
でも大声出してごめん」












素直だな



でもやっぱりイライラがあるんだよねー…











「それを私に言ってどうしたかったの?
湊くんはそれを求めてたの?」











私だって不安はあるよ



私が触られたりするのが嫌だと思ってるって
湊くんは思い込んでるから手繋ぐだけで我慢してるんじゃないか?


って…











「求めてない!!
いや…完全に求めてないわけじゃないけど
みつばのペースに合わせたいからさ」











うわ…今の反則



湊くんってどこまでも心が広いと思うなぁ…











「まぁまぁ心配せずに
みつばは恋人のことを信じなさーい!」











そう言ってへへへと笑う湊くん




なんか怒るのがバカらしくなった






湊くんってすごいなぁ…











「湊くんのこと信じて…ゲホゲホッる」











突然出てきた咳




やば…止まんない…











「ゴホゴホッう…ゲホッ」











最近ひどくなってきてたんだよね…


私が咳き込んでいると、湊くんが遠慮がちに背中をさすってくれる











「ちょ、大丈夫?」





「だ…ゲホゲホッいじょうぶ…」





< 82 / 225 >

この作品をシェア

pagetop