ドッペル・ゲンガー
「ん……」

 もぞもぞと体を動かす。寝ぼけた眼を擦りながら、俺は上半身を起こした。

 結構寝てたんだな。

 部屋の中は真っ暗で、窓からは月明かりが差し込んでいた。

 今何時?

 そう思い、携帯へと手を伸ばす。

 二十二時三十二分。

 やってしまった。今日は観たいドラマがあったのに。

 嘆いても仕方ないので、とりあえずリビングへと向かう事にした。

 そういえば、腹も減ったな。

 空腹で鳴る腹をさすりながら階段を降りると、俺はちょっとした違和感に気付いた。
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