ドッペル・ゲンガー
 暗がりの中、携帯のライトを起動させながらブレーカーも確認したけど、特に問題はなかった。

 という事はやっぱり停電なのか?

 何だか腑に落ちないので、俺は外に出てみる事にした。玄関を開けると生温くて湿った空気が体にまとわりついてくる。

 夏とはいえ、最近は夜でも暑い。

 軽く息を吐いて辺りを見渡す。普段よりもやけに暗いなと思っていると、道路脇に設置された街灯はどれも消えてしまっていた。
< 15 / 147 >

この作品をシェア

pagetop