ドッペル・ゲンガー
 夢でも見てるのか。

 頬をつまんでみる。はっきりとした感覚が頬に伝った。

 やっぱりおかしい。

 俺はどうしたもんかとその場で立ち尽くす。

 ……カラカラカラカラカラ。

 不意に、背後からアスファルトと金属が擦れるような音が聞こえてきた。

 ……カラン。

 何だ? と思っていると、その音は俺の少し後方で止まったようだった。
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