ドッペル・ゲンガー
「美咲、どうしよう。遂にあいつ頭おかしくなっちゃったよ!」

「言い過ぎだってば」

 冗談を言う志乃は置いておいて。

 確かに急にどうしたんだろう?

 視線の先では、教科書を広げたまま何やら真剣にノートに書き込みをする大吾の姿が映っていた。

 何かあったのかな?

 たかが勉強をしているぐらいでそう思ってしまうのは大吾に失礼だけど、今までの大吾の勉強に対する姿勢からすれば、それは素直な感想だった。
< 33 / 147 >

この作品をシェア

pagetop