ドッペル・ゲンガー
「今日もお前らは楽しそうでいいよな」

 くらだらない会話に、もう一人お馴染みのメンバーが加わる。

「ちょっと言い方が意味深なんですけど? 透はいいよね。スポーツも勉強も、学年トップクラスなんだから。ほんとに同じ人間? 脳みそ交換してほしいよ、ほんと」

「お前のは単にやる気の問題だろうが」

「うるさい。大吾に言ってないから」

 じとっ、と視線を向ける志乃を適当にスルーする。

「こう見えても結構大変なんだぜ? 部活終わったら、帰って復習とかもやってるし。バイトだってしたいけど、この調子じゃ、卒業するまで無理だな」
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