ドッペル・ゲンガー
 初めはネズミが出るたびに悲鳴を上げていたけど、あまりに頻繁に遭遇するので慣れてしまった。

 それどころか、最近は少し可愛らしいとさえ感じている自分がいる。

 尻尾は気持ち悪いけど、それ以外はデカいハムスターみたいなもんなんだよね。

 かといって、ばい菌だらけの彼らを触ろうとまでは思わないけど。

 着替えを済ませた私は出勤登録を済ませてオープンの準備に取り掛かる。

 今日は宴会があるんだっけ。

 確か二十名。

 久しぶりの大人数に気合いを入れる。
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