ドッペル・ゲンガー
「ぷっ……」

 何だか話がよく分からない方向へと進んでしまったので、私達は顔を見合わせて互いに声を上げたーー

「学校は? 楽しい?」

「うん。いい友達もいるし、楽しいよ」

「そっかそっか。学生の時の友達って、大人になっても仲良しだから、今の内にいっぱい作っておかなきゃね」

 その言葉を噛み締めるように料理を口に運ぶ。

 お母さんの料理はどれも美味しい。

 自炊がモットーらしく、これまでどんなに帰りが遅くても晩ご飯だけはコンビニやインスタントで済ませた事はない。

 私も将来こんな母親になれたらな、と、昔から思っていた。
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