ドッペル・ゲンガー
「それじゃあまた明日も頑張ろうな!」
部活の練習時間が終わり、部員達がぞろぞろと学校を後にしていく。
「一緒に帰ろうぜ」と、いつもの下校仲間が声をかけてきたけれど、今日はそんな気分じゃなかったので、適当な理由をつけて断った。
学校を出ていくサッカー部の連中と一緒に学校を出れば話のつじつまが合わなくなると思い、俺はみんなが完全に姿を消すまで校庭に残る。
グラウンドに目をやると、まだ終わっていない他の部活の生徒が練習に精を出していた。
その視界の隅で回収し忘れたサッカーボールが一つ、グラウンドの隅に転がっていた。
特にする事もなかったので俺はボールの方へと歩き出す。
空気、そろそろ入れないとな……
手にしたボールを両手で挟み力を込めると、思ったよりも手がめり込んだ。
手を離すと反発力の衰えたボールはすぐにバウンドを止めコロコロと転がる。
俺はどうしたいんだろう。
誰にも届かない自問自答の声。
サッカー部員はもうすっかり姿を消していた。
考えを振り切るように転がったボールを思い切りゴールへ蹴り込むと、俺は帰り支度をして学校を後にしたーー
部活の練習時間が終わり、部員達がぞろぞろと学校を後にしていく。
「一緒に帰ろうぜ」と、いつもの下校仲間が声をかけてきたけれど、今日はそんな気分じゃなかったので、適当な理由をつけて断った。
学校を出ていくサッカー部の連中と一緒に学校を出れば話のつじつまが合わなくなると思い、俺はみんなが完全に姿を消すまで校庭に残る。
グラウンドに目をやると、まだ終わっていない他の部活の生徒が練習に精を出していた。
その視界の隅で回収し忘れたサッカーボールが一つ、グラウンドの隅に転がっていた。
特にする事もなかったので俺はボールの方へと歩き出す。
空気、そろそろ入れないとな……
手にしたボールを両手で挟み力を込めると、思ったよりも手がめり込んだ。
手を離すと反発力の衰えたボールはすぐにバウンドを止めコロコロと転がる。
俺はどうしたいんだろう。
誰にも届かない自問自答の声。
サッカー部員はもうすっかり姿を消していた。
考えを振り切るように転がったボールを思い切りゴールへ蹴り込むと、俺は帰り支度をして学校を後にしたーー