ドッペル・ゲンガー
 シャワーを済ませた俺は、余計な汗をかかないように少し体を冷やしてから部屋着に体を通すと、リビングの母に一声かけてから自分の部屋に上がった。

 ベッドに横になりレースのカーテンだけを引いた窓際を眺める。

 時刻はまだ十七時半を少し回ったところ。

 暗くなるにはもう少し時間がかかりそうだ。

 うっすらと遠くの空がオレンジに染まっている。

 その様子を眺めながら、俺の意識はだんだんと遠のいていったーー
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