濃紺に染まる赤を追え。
「三限目の間だけでいいから」
「そんなんでいいの?」
いわゆるパシリみたいなことだよね。
首を傾げると、桐谷は楽しそうに頷いた。
「じゃあ、早速」
「ん?」
「膝枕して」
……え、そういう感じなの?
一瞬思考がフリーズしたものの、早くー、なんて急かす声が聞こえる。
少し恥ずかしいとは思ったもけど、今日くらいは仕方ない。
正座して足を崩すと、桐谷のシルキーアッシュが太ももの上に乗った。
「これでいい?」
「ん。……なんか下からよっこ見るとか新鮮」
ふわりと微笑まれると、わたしもつられて微笑んでしまう。
しばらくそのままでいると。
「あ、頭撫でて」
桐谷は急に思いついたようにそう言った。
「えー……」
「はやくー」
なにこのカップルみたいなプレイ。
……あ、わたしたちってカップルだったか。