濃紺に染まる赤を追え。
何のリアクションも返ってこないことが、さらに不安を煽り。
激しい後悔に襲われながら、ぎゅっと目を瞑っていると、隣から聞こえたパタンとノートを閉じる音。
「ふーん……」
「……」
「これ、よっこがまとめたんだ?」
問いかけに、ただただ頷く。
するとまた、ふーん、なんてワンパターンな答えが返ってくる。
抑揚のないそれに、大きくなる後悔と不安。
「ごめん、それ、迷惑だったよね」
「……え?」
呟くように口にすると、心底不思議そうな声がした。
それにそっと顔を上げれば、まじまじとわたしを見ていた桐谷と目が合った。
「いや、迷惑とかじゃなくて」
「……?」
え、違うの?と視線だけで訴えると、そうじゃなくて、と呟きながら逸れていく切れ長の瞳。