黒十字、邪悪なり
「だから私達が行くんです!」

もう一度、セシルは声を荒げた。

「どうやって助けに行くつもりだ?既に地上はゾンビとグールに埋め尽くされている。足の踏み場もないくらいにな」

「だったらヘリを出して下さい!屋上に直接向かいます!」

「話を聞いていなかったのか?吸血鬼は蝙蝠化できる。ヘリを直接襲われる危険があるぞ?」

「それでも行きますっっっっっ!」

会議室に響くセシルの声。

同席した彼女の仲間達も、その言葉に異を唱える者は一人としていない。

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