黒十字、邪悪なり
「……」

紫煙をくゆらせ、対策局長は机の上の電話、その受話器をとった。

「…私だ、ヘリの手配を頼む。陸上自衛隊のCH-47JAを。それから、法儀式済神聖弾薬をあるだげ全部積み込んでくれ。5.56ミリ弾も30ミリ弾も、全部だ」

「対策局長…」

電話の内容を聞いて、目を丸くするセシル。

「どうせ今更化け物や君達の存在を隠し通す事もできんしな」

対策局長は受話器を置いた。

「やるならば徹底的にだ。生存者は誰一人残さず救出しろ。化け物どもは視界に入ったら全て殲滅しろ。吸血鬼もゾンビもグールも、全てだ」

口に咥えた煙草を、灰皿の上で揉み消す。

「……何をボンヤリしている?出撃だ。法儀式済神聖弾薬を撃ち尽くして来い。責任は全て私がとる」

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