黒十字、邪悪なり
それでも、奇跡的にセシルは生き残った。

ここから屋上に向かい、何とか生存者を救助しなければ。

決して無傷ではない。

ヘリ激突の際に、打撲を負ってしまっている。

そんな痛む体で、自身の体重以上の重量のゾロターンカスタムを構えて進もうとして。

「セシル兵曹長」

彼女は呼び止められる。

振り向くと。

「お前も生き残ったのか…」

激突したヘリの残骸から、海兵隊員の戦闘服を纏った男が出てきた。

ブラウンの短髪、精悍な顔立ちの兵士。

マシュー・マーフィ大尉。

彼もセシルと同じく、第3海兵師団戦闘強襲大隊からの出向者だった。

同じ海兵隊からの出向隊員達を組織して、怪異駆逐対策局部隊の隊長を務めていたのだ。

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