黒十字、邪悪なり
「どれ…死んでみるか?お嬢ちゃん」

邪悪の口角がつり上がる。

腰を抜かしたセシルの尻をついた床に、生暖かい液体が広がる。

己で失禁した事にも気づかないほどに、恐怖と絶望に支配されていると。

「!!!!!!!!!」

突然邪悪の胸板に、9ミリ神聖弾が10発叩き込まれた!

マーフィがグロック17を全弾撃ち込んだのだ。

彼はリロードしつつ。

「セシル兵曹長、立て!早く!」

セシルの腕を強引に摑み、無理矢理立ち上がらせる。

無論わかっている。

邪悪がこんな9ミリ神聖弾程度で死ぬ筈がない。

五分とかからず再生するだろう。

だからその間に、少しでも距離を取らなければ。

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