黒十字、邪悪なり
腕が千切れ飛び、足が千切れ飛び、立っていられなくなった邪悪が屋根の上から転落し、グジャッ!と音を立てて地面に叩きつけられて痙攣するのを見て。

「撃ち方やめ!」

再び号令がかかる。

その声と共に射撃を停止する銃口達。

邪悪に一斉射を敢行したのは、迷彩服を身に付けた一団だった。

手にしているのは揃いの自動小銃。

一見すると軍隊のようにも見えるが、彼らはれっきとした政府の職員だった。

厚生労働省怪異駆逐対策局。

それが彼らの呼称だった。

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