黒十字、邪悪なり
「サーメイトを使用しろ」

怪異駆逐対策局部隊の部隊長が言う。

サーメイトとは焼夷弾の一種。

高熱の金属の滴が皮膚にへばりつき、永続的に人体を焼き続け骨まで達する。

テルミット反応による加熱なので、水をかけてもほぼ無駄。

これによって化け物を焼却処理して、怪異駆逐対策局の任務は終了となる。

「局内でも噂の黒十字 邪悪か…対峙してみれば何と呆気ない…」

拍子抜けするほどに簡単に駆逐が完了した事で、背を向けて咥え煙草に火を点ける部隊長。

しかし。

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