黒十字、邪悪なり
「ぎゃあぁぁあぁあぁぁっ!」

突然響いた悲鳴に、部隊長、そして部隊の隊員達が振り向く。

サーメイトを使用する為に近づいて行った隊員の悲鳴だった。

彼は首筋に食らいつかれ、咬合力だけで宙吊りにされていた。

手も足も千切れ飛び、血塗れの肉塊と化した邪悪によって。

「厚生労働省の役人どもか…」

ブチィッ!と隊員の首を噛み千切り、邪悪は朱に染まった顔で嗤う。

「法儀式済の弾丸とは用意周到な事だが…お役所勤め連中に俺は殺せんよ」

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