黒十字、邪悪なり
「大勢殺してやったさ」

口角をつり上げ、ベナルは笑う。

「ご高説垂れて偉そうにふんぞり返っていたものの、闘ってみれば何の事はない、普通の人間だった。腕を千切り、足を千切り、芋虫みたいに地面に転がしてやったら、鼻水垂らして命乞いしていたんでな」

ベナルの赤い眼が、爛々と輝く。

「頭を踏み潰してやった」

「貴様!」

ベナルの挑発に乗り、鍼を投擲するヨセフ!

数十本の鍼が、ベナルの全身を埋め尽くすように刺さる!

その威力にベナルの巨体が壁に叩き付けられ、鍼によって磔にされた。

壁に縫い付けられた状態。

身動き一つとる事が出来ない。

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