黒十字、邪悪なり
「どうするのだね、対策局長!」

事務次官が名指しで呼んだのは、まだ30代の男性だった。

対策局長。

怪異駆逐対策局の最高責任者であり、指揮官でもある。

彼は表情一つ変えずに、事務次官を見た。

「今回怪異駆逐対策局の一個中隊が全滅させられた相手は、これまでに我々が駆逐してきた化け物…ゾンビやグールとは訳が違います…黒十字 邪悪…海外より渡って来たと思われる未知の化け物…いわば外来種であり、これまで国内で駆逐してきたものよりも遥かに凶暴で凶悪な種で…」

「何者なのかなどどうでもいい!」

対策局長の言葉に、事務次官は頭ごなしに怒鳴る。

< 24 / 310 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop