黒十字、邪悪なり
「サー!」

セシルが叫ぶ。

ならばあの男こそが、セシル・カイルの主である黒十字 邪悪か。

そう認識するなり。

「おぉぉおぉぉおぉおぉおぉぉぉおぉおぉっ!」

ヨセフは鍼を投擲する!

何本も、何十本も、何百本も。

投げる、投げる、投げる、投げる!

その鍼が全弾命中したのを見計らって。

「邪悪ぅあぁぁあぁぁぁぁあぁあぁっ!」

一機に突進したヨセフの逆手持ちの鍼が、逆袈裟斬りに邪悪の胴を薙いだ!

噴き出す鮮血!

しかしこの程度で、あの邪悪が致命傷を負う筈がない。

大きな傷を負わされつつも、邪悪の顔には笑みが浮かんでいる。

そうでなくては。

そうでなくては復讐を果たす甲斐がないというもの!

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