黒十字、邪悪なり
「ヨセフさん!」

傍らに立っていたセシルが、ヨセフにゾロターンカスタムの砲口を向けた。

「それ以上はサーの眷属である私が許しません!」

「…どう許さぬというんだ…?」

凍てつくような眼差しで、セシルを睨むヨセフ。

同時に。

「うぁぁぁぁぁぁっ!」

ゾロターンカスタムを構える手が、トリガーに添えた人差し指が、瞬時にして無数の鍼で貫かれた!

思わずゾロターンカスタムを取り落とすセシル。

いつの間に鍼を投擲したのか見えなかった。

その隙に再生を完了して二挺拳銃を抜く邪悪!

だが!

「ぐぅっ!」

拳銃を握る両腕が鍼によって蜂の巣にされ、更には両足の甲が鍼によって地面ごと貫通された。

「貴様にはそこに縫い付けられてもらう」

穏やかな、しかし冷徹な声色でヨセフが呟いた。

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