黒十字、邪悪なり
どこから紛れ込んだのか。

怪異駆逐対策局の隊員達を押し退けながら、長身痩躯の男が二挺拳銃を手に現れた。

彼は。

「ぐぎっ!」

「ぎゃっ!」

右のサルガタナス、左のネヴィロスで隊員の頭をそれぞれ一人ずつ吹き飛ばした後、ゆっくりと吸血鬼に歩み寄る。

「貴様も化け物(フリークス)のようだな」

「ああ」

吸血鬼の問いかけに答える長身痩躯の男。

「助太刀のつもりか知らんが、他人の狩場に踏み込むのは感心せんな」

吸血鬼は腕組みして告げる。

「腹が減っているのならば他を当たれ。今は取り込み中だ」

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