黒十字、邪悪なり
怪異駆逐対策局の隊員達に囲まれて銃口を向けられ、吸血鬼と対峙し、それでも不遜な態度を崩さないインバネスコートの男。
間違いない、あれは黒十字 邪悪だ。
「よくも私の前にノコノコと…!」
別棟のビルの屋上。
セシルは照準を、吸血鬼から邪悪へと切り替える。
先日の屈辱は忘れてはいない。
奴は、セシルがここで狙撃準備をしている事に気付いていない。
今ならば確実に、あの忌々しい薄笑みを浮かべる顔を柘榴のように弾けさせてやれる。
Catch & Killだ。
トリガーを引こうとして。
「やめた方がいいな」
「!!!!!!!!」
覗き込んだスコープの向こう側。
邪悪が呟きながら笑うのを見て、セシルは戦慄を覚えた。
「何百メートル離れていようと、貴様の殺ろうとしている事は手に取るようにわかるさ、お嬢ちゃん」
間違いない、あれは黒十字 邪悪だ。
「よくも私の前にノコノコと…!」
別棟のビルの屋上。
セシルは照準を、吸血鬼から邪悪へと切り替える。
先日の屈辱は忘れてはいない。
奴は、セシルがここで狙撃準備をしている事に気付いていない。
今ならば確実に、あの忌々しい薄笑みを浮かべる顔を柘榴のように弾けさせてやれる。
Catch & Killだ。
トリガーを引こうとして。
「やめた方がいいな」
「!!!!!!!!」
覗き込んだスコープの向こう側。
邪悪が呟きながら笑うのを見て、セシルは戦慄を覚えた。
「何百メートル離れていようと、貴様の殺ろうとしている事は手に取るようにわかるさ、お嬢ちゃん」